釣島灯台と旧官舎
釣島海峡を望む白い灯台
松山市の西約5kmの海上に浮かぶ忽那諸島の釣島は、松山市の三津浜港よりフェリーで約50分の所にあります。その島にある釣島灯台は愛媛県で最初の西洋式灯台施設として、イギリスより来日した「御雇外人教師」英国人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンの設計により1873年に建築されました。
眼下の釣島海峡は潮の流れが早く、大陸方面から関西方面に向かう船にとっては、瀬戸内海の難所と言われる西側の入口になります。その難所を安全に航行できるように毎日海上に向けて、日没から穂出まで白と赤を交互に閃光を放ち続けています。昔は燃料を使っていましたが、今は電池で照らすようになりました。
昭和30年代には灯台の機械化がすすみ、離島や遠隔地の灯台は無人化されるようになりました。この釣島灯台も無人化に伴い官舎としての機能を失い、手つかずのまま遊休施設となっていましたが、1995年から3年かけて整備されて今に至ります。
現在日本の灯台は3,300ヶ所ありますが、明治時代に建設され今も現役で動いているものは67ヶ所です。さらに、大きな改造もなく当時の姿を保っているのは、釣島灯台だけという希少価値の高い施設です。
また灯台旧官舎の特徴は洋風建築ではなく、純然たる洋式建築であることです。従来の日本建築の中に洋風を取り入れたものではなく、灯台という特殊で重要な機能と厳しい立地条件から、一般建築とは無関係に作られ存在してきました。見どころは内部の木目塗り、暖炉、輸入ガラス、クィーンポスト・トラスの小屋組など多くあります。松山市有形文化財で、年3回内部が公開されます。
住所 | 愛媛県松山市泊町1433-2(外観見学自由) |
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お問い合わせ | 松山市役所 文化財課(文化財保護担当) 住所:〒790-0003 愛媛県松山市三番町六丁目6-1 第4別館2階 TEL:089-948-6603 MAIL:kybunka@city.matsuyama.ehime.jp |
【釣島灯台・旧官舎見学について】 |